原始的な痛みへの恐怖や怒りは仕方ないとしても、人間的な、誰かへの恨みつらみや後悔などの「複雑高度な」苦しみは起こさないようにした方が賢明です。身体の痛みはつらくても、心では、縁ある人々への感謝と幸せを願う気持ちを強くもって、堂々と死ぬべきです。自分のより良い転生のためにも。


藤本晃(浄土真宗誓教寺住職)
(別冊サンガジャパンVol.4 「人間で生まれるとき。人間で死ぬとき。」)
※肩書は掲載時