【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「一人の時間を充実させたい」です。
[Q]
会社員をやっていて、ふだんは会社と自宅の往復だけなんですが、たまに友達と遊んだりすると二、三日くらいは明るい気分でいられます。でも、それ以外の日は一人で暮らしていると気分が落ち込んで来ます。一人の時間を充実させるにはどうしたらいいでしょうか?
[A]
■関係依存を離れて真理を学んでみる
一人の時間で落ち込んでしまうというのは仏教徒としては情けないなぁと思います。落ち込むことは悪行為です。それを理解してください。特に質が悪い悪行為ですよ。なぜわざわざ、ひとりで悪行為するんでしょうか? 心にそういう癖がついてしまっているからです。ちょっと頑張ってその悪い癖を直さなければいけません。だから一人でいる時間は敢えて「徹底的に楽しく過ごすぞ!」と意識しなければいけない。慈悲の瞑想などをやってみてください。あるいはヴィパッサナー。せっかく自由なんだから。特にヴィパッサナー瞑想などは一人でなければ出来ませんから。あとは仏教の本を読んでみるとか、どうかそういう真理の世界で生きることを心がけてみてください。
「他人と付き合っている時は問題無い。暗くなることは無い」というのはカッコ悪いんです。他人に依存している依存症なんです。依存が無くなった途端、ドカンと落ち込んでしまうっていうのは、あまり良くない状態ですよ。「一人でいると本当に心穏やかで楽しいな」という状態になったらもう依存症は無いんです。そうすると人々と付き合う時には慈しみを実行しないと、うるさい連中と仲良くすることは出来なくなってしまうんです。コミュニケーションってものすごく煩わしい、すごくストレスかかるんですよ。相手の機嫌を取らなければいけないし、気分に合わせないといけないし、言葉にも気を付けなければいけない。面倒くさいんですね。だからそこで慈しみが無いと失敗します、喧嘩します。ストレス溜まりますよ。あなたはそこまでまだ進んでいないんです。他人に依存している時は心も何となく忙しくて、落ち込むヒマが無くなって、それで一人になった途端に落ち込んでダラダラっと堕ちて行ってしまう。それはとても良くない状況だから、敢えてその時間を楽しんでください。「慈悲の瞑想と真理を学ぶことより、良い人格者になる道を探そうではないか……」とかね。「生命の心とはどのようなものか? 生命とは何か?」など、私はたくさん本を書いているから、精舎(東京:ゴータミー、関西:マーヤデーヴィー)に来ればタダで読めるし、ネットにも無料でダウンロードできる本があるし、YouTubeもありますよ。そういうもので有意義な時間を過ごすよう心がけてください。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: こころ編4』
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