【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】

 皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「日常生活の修行」についてです。


[Q]

 在家で修行をしたいと考えている人は、日常生活を送りながら何をすべきなのか、どうすれば修行になるのかということが、明確に自分の中で持てていません。それに関するヒントを頂けたらと思います。

[A]

自義務を果たしながら、心を汚さないように気をつける


 私たちは社会というシステムの中にいます。システムの中で生きているのです。システムが要求するものに対応しながら、「自分の心が汚れないように」と気をつけることです。

 例えば子供がいる。それも家族というシステムの中にいるのです。子供に対してやるべきことは全てしてあげる。責任を果たすということです。子供や子供の教育に異常に執着してしまって、あまりにも高望みをしてしまって、心を汚すことは一般的な生き方です。修行する人は、義務をすべて果たすが、心を感情で汚さないように気をつけるのです。

 また仕事がある。仕事は手を抜かないできっちりやる。それで仕事を終了させるのです。仕事のせいで心を汚さないように気をつけるのです。

 いかなる時でも悩み、苦しみ、落ち込みなく生きてみる。家族がいても、仕事があっても、友達関係であっても、その役割・責任は確実に果たします。社会・システムの役割や責任を果たしながらも、「自分の心を守る」のです。というところで頑張らなくではいけないのです。難しい言葉でいえば、自分の心は世間の思考と合わせて流れますが、もう一つ、「心を清らかに保つ」という思考の流れを並行して保つことです。



出典 『それならブッダにきいてみよう: 瞑想実践編3』