アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「離婚を考えている夫との関わり方」です。

[Q]

    夫と離婚したいと思っています。彼は魅力の無い人間で、話をするだけで嫌になります。早晩、離婚するつもりですが、そんな相手と離婚が成立するまでの間どういう気持ちで暮らせばいいものでしょうか。

[A]

■相手を敵にだけはしないでください

    慈しみの実践をしてください。女性は敢えて『慈悲の瞑想』をした方がいいのです。命を守り育てることが女性の仕事ですから、それから外れてしまうと、精神的にかなり不安定になってしまいます。女性は自分が命を支えて守っているという事を実感すると、精神的に落ち着くのです。「これから離婚する夫も、どうか幸福になって欲しい」と思っていればいかがでしょうか。その人との関係が、夫婦か・それ以外のものか、というだけの違いでしょう?    相手が一人の男になるだけです。普通に他の男性と接する時と同じ態度でいればいいでしょう。相手に怒り憎しみをつくらないで、慈しみを持つ事です。夫婦といっても思考パターン、生活パターン、性格が違うと一緒に生活できないことがあるものです。それで別れる事は一向に構いません。でもそこで相手を憎むのではなく、生命として慈しみを持って、「一緒に生活できなくても、あの人にはしっかり幸福に生きて欲しい」と願えばいいでしょう。とにかく敵にだけはしないでください。そうすると自分の人生が崩れてしまいます。誰であれ、人間同士として仲良くしないといけません。慈悲の気持ちで生活しないといけないのです。



■出典      『それならブッダにきいてみよう:人間関係編」

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