アルボムッレ・スマナサーラ
【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「息子を見下す父親」です。

[Q]

    私の夫は社会的能力が高く、大きな会社に勤めたくさんの給料を稼いでいました。息子はそれがあまりなく小さな会社に勤め、それほど給料もありません。そのことで夫が息子に「お前はダメな人間だ」と決めつけ厳しく叱ります。私から見て、息子は自分の能力に適して本人なりに頑張っています。どうすれば夫が息子を認めるようになるでしょうか?


[A]

■人権侵害はカッコ悪いこと


    あなたが思っていることは正しいです。こういう手段を使ってみてください。例え金をたくさん儲けたとしても人格がだらしなければ人生に意味はない、人は金を儲けた額で評価できない、性格で評価するものだと教えてあげてください。旦那さんは金儲けをしていることで自我を張っているのでしょう。それで他人の人権まで侵害している。それは人としてとてもカッコ悪いことだと言ってあげてください。

■収入の多寡ではなく「管理」こそが大切です

    大企業に勤めているか、収入が多いか少ないかは何の意味もありません。収入が多ければ多いほど問題も大きくなるのです。収入が少なければ、それなりに問題も少ないのです。収入が多い人が家を持つ場合は、条件が必要以上に増えてしまい迷うことになります。より良い土地を探したり、より良い設計士や建設会社を選んだりする厄介さを抱えなくてはいけません。収入が少ない人は、身の丈に合ったシンプルな住まいを借りればいいだけです。楽です。ですから、収入の多い少ないに関係なく、楽しく素直でストレスなく生きれば充分です。日本だと、健康なら生活できるぐらいの収入は稼げるでしょう。能力がある人は収入がたくさんあるかもしれません。それは業が管理していることでもあります。
    ですから、私たちに必要なことは、自分の業が与えてくれる収入をどのように管理するのか、ということなのです。給料が百万円の人でも借金する可能性はあります。給料が二十万円の人が何の問題もなく生活することもできるでしょう。それは管理という問題なのです。

■正しく言い返す能力を 智慧で身に付けましょう

    旦那さんには「自分の遺伝子を持っている息子の人権侵害をしないで」と言ってあげてください。人間にとって大事・幸福なことは、収入という金の額でも、所属している会社の大きさでもなく、人格だということ。その二つのポイントですね。親の仕事は子供に良い人間になるように・幸福に生きられるように躾することでしょう。旦那さんはそれをやっていません。次に旦那さんが息子に「お前はダメ人間だ」と厳しく叱ったなら、母親であるあなたが「それは誰の息子ですか?」と言ってください。正しく言い返す能力が必要です。これは仏教の智慧がないとできません。そういう方法でやってみてください。


■出典    『それならブッダにきいてみよう: 人間関係編2』
https://amzn.asia/d/0eVEVGQb