アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「損得勘定を止めたい」という悩みにスマナサーラ長老が答えます。


[Q]

    執着してそれを引きずってしまいます。なぜかと考えてみると、損得の思考が根っこにあるように思いました。日常生活をしながら、この考え方を切り替えていく方法をアドバイスしていただきたいのです。
 
[A]

■幸福は与えることにあり

    損得の思考は正しくありません。世界は、Give and take で成り立っているように見えますが、本当はGive & Receiveなのです。「与えて・頂く」のです。
    自分が他人に対して先に何を与えるべきか、何が他人の役に立つのかとまず考えて行動して欲しいのです。「得る・得をする」思考は汚れています。得だけ考えて行動する時は、自分に相応しい得はないのです。
    世間の人々は「奪う」ことのみを考えていますが、奪うだけでは人生は成り立たないので、渋々与えることもします。しかし、1をあげて10000を期待します。それで、派手に悩む羽目になるのです。
    人は「与えること」を中心にして生きることです。
    それで、心は安らぎます。不安・不満がなくなります。充実感を憶えます。「充分ありすぎ」だと言えるほど得をします。
    「幸福は与えることにあり」です。

■出典     『それならブッダにきいてみよう:こころ編1』

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