【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「人間関係を円滑にするコツ」です。
[Q]
[A]
相手の尊厳を守って生きること
相手の気持ちを損なわないように生きてみるのはどうでしょうか? 相手が誰であろうと気遣って生きてみるのです。あるいは「あの人に会って楽しかった」という気分を常につくる。自分以外の人間と直接関わっている時間はそんなに長くありません。例え夫婦でも一緒にいる時間は短いです。だから、相手が誰であれ、その短い時間は相手を不幸せな気持ちにさせないで、「ちょっとニコッとさせてあげよう」という態度でいれば、二十四時間ニコニコしていることになるのです。自分もすごく気分がいいし、ストレスも溜まりません。あまりソリが合わない人と付き合う場合でも「もっと面白いギャグを言ってみよう」などと工夫をすることになるので、コミュニケーション能力もアップできます。
もうひとつ大事なことがあります。家族や親戚といえどもそれぞれ別々の人間であることを忘れてはいけません。子供でさえも別の人間なのです。人間関係は、血縁などは超越した個人同士の関係です。個人には個人としての尊厳があり、プライバシーというものもあります。相手が誰であっても個人としての尊厳を厳密に守らなくてはならないのです。子供が小さい時はプライバシーはありませんが、物事がわかってくるようになったら「あなたを尊重しているから自由を与えている」という気持ちを伝えなくてはなりません。人間関係を円滑にするためには「尊厳を守る」ということが不可欠なのです。
出典 『それならブッダにきいてみよう: 人間関係編』