山下良道師の師であり禅の修行道場である安泰寺の第六代住職の内山興正老師の哲学を紐解きながら、現代日本仏教の変遷をその変革の当事者としての視線から綴る同時代仏教エッセイ。
第4話 仏教3.0の前提となること(構図と探究)
■世界仏教と遭遇し始まったアップデート
この連載シーズン4では、昭和まで綿々と続いてきた日本仏教の伝統が、平成に入ってしばらくすると大いに揺らぎ始めたこと、そしてその象徴として書店の仏教書コーナーで激変が起こったことを我々は見てきました。その書棚の様変わりは、この「WEBサンガジャパン」の前身を世に送り出したサンガの創立者・島影透氏が、テーラワーダ仏教のスマナサーラ長老と出会ったことから、端を発したことも我々は確認しました。島影氏が情熱の限りを注いで、テーラワーダ仏教の長老たちの書籍を怒濤のように出版したことが、書店の本棚の光景のみならず、やがては日本の仏教そのものを大きな変革へ導く起爆剤となったのですが、その背景にあったのは、日本の仏教の伝統と世界の仏教との、なんとも微妙としか言いようがない位置関係でした。

![連載 山下良道(鎌倉一法庵)〔令和の時代の「仏教3.0」シーズン(4)〕[4/8]](https://image.osiro.it/pass/main_images/137982/images/original/%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%BF%E3%82%99%E3%83%BC%E3%80%8C%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E8%89%AF%E9%81%93%E3%80%8D4.jpg?1637365293)
