アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「善悪の基準を他人にどう説明すればよいのか」という質問にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

   善悪の概念について、「これは良い/これは悪い」という善悪の区別も概念だと思います。その区別が何となくわかっているつもりですが、それを他人に説明するときにどうしたらいいでしょうか?

[A]

■善悪は定義として考える

    「今の瞬間しかない」という立場から言えば、善悪など何も存在はしないのです。しかし、それは私たちが今経験していないことなのです。だから、仏教ではそれを「超越した境地」と言うのですね。「超越」という単語さえも、今の状況と比較したものです。単語を使うとなると、比較する世界になってしまいます。それは言語を使う私たちには避けられない問題でもあります。
    善悪の場合は定義として考えた方がいいと思います。「不幸が増す行為」は悪です。「不幸が減って安らぎを得る行為」が善です。それだけです。


■出典   『それならブッダにきいてみよう:こころ編2』

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