【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「学ぶ時の姿勢」です。
[Q]
良い瞑想の先生に出会い、良く指導してもらうためには、生徒はどの様な性格や気質でいることが大切ですか?
[A]
■学ぶための心構え
お釈迦様は「素直」が必要だとおっしゃっています。例え、良くない瞑想指導者に出会ったとしても、「その人が何を言っているのか?」ということを素直に理解する必要があります。それで結果が得られなければその指導者から離れ、自分が出ていけば良いのです。それは自由です。
■誰から学ぶかという自由がある
「素直」はパーリ語で「suvaca(スワチャ)」と言います。学ぶ側に必要な性格はそれだけです。相手が言うことを勝手に解釈しないで、その相手が何を考え、何を言わんとしているのか、まず情報をそのまま受け取るのです。自分の解釈は後ですれば良い。学ぶ・勉強する時には、相手の考え(情報)をそのまま受け取るのです。瞑想指導の場合は、やり方・方法ですから、「この人はどんなやり方をしているのか?」と理解して、その通りに実践してみることです。
■信頼できるか吟味し 学ぶ時は自我を捨てる
私が瞑想修行をしていた時も、自主的に勉強はしていたので「お釈迦様はもっと自由に瞑想指導していたのだから」「もっとたくさんの瞑想方法があるのに」という知識はありました。しかし「今は目の前の指導者から学ぶのだ」と、指導者の言った通りに精密に実践したのです。そうすると、それなりに自分の心が成長します。最初は自我を捨てて、素直になって、言われた通りに実践しなければいけません。先生(指導者)が素晴らしい人であれば自分も素晴らしく成長することができます。そして師匠に対する尊敬も生まれてくるものです。
■素直さで自我の錯覚を破れる
質問する時も素直に質問するのです。質問は自分の問題を訊くのです。「私は瞑想実践しているとこうなり、それで困っている」とか。そうすると、指導者が答えてくれるかもしれませんし、指導者によっては答えられないこともあります。修行する場合「オレは◯◯人だぞ」「ワタシにはこんなに修行経験があるんだ」と自我を張ると、どこに行ってもダメです。心の成長は見込めません。素直になる必要があります。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: 人間関係編2』
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