アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「ラーフラと、父であるお釈迦様の関係は?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

    出家したラーフラとお釈迦様の関わりはどのようなものだったのでしょうか。ラーフラには偉大な父を師とするプレッシャーはあったのでしょうか。

[A]

    ラーフラは七歳そこそこで出家しました。王子様で育ちが良いですから絶対にわがままを言いません。プレッシャーはあったような気がします。人は出家しても、悟りに達するまでは失敗はつきものです。それが子どもであるならなおさらです。しかしラーフラ尊者がなにか失敗したなら、「子どもだからしょうがない」というわけにはいきません。「父親がブッダだから調子に乗っているんだ」という批判を受ける可能性もあります。ですから沙弥出家してからも誰にも批判されないように、厳しく決まりを守りました。どれほどまじめに行儀作法を守ったかというと、阿羅漢になってから、出家弟子比丘たちのなかで「正しく行儀作法を守る弟子の第一」という称号をブッダからいただいたほどなのです。



■出典    『ブッダの質問箱』