【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「いつも笑顔でいるために」です。
[Q]
長老は笑うことの大切さを説いていらっしゃいます。何があっても笑っているとか、笑顔でいつもなるべくいるとか、自分は笑顔でいるのがちょっと苦手なんですけど、笑うことに対する、それをやるためのヒントがあれば教えてください。
[A]
■自己観察から始めてみよう
そういう性格だと修行するのにすごく時間かかりますよ。
まず自分を観察してください。「なぜ私はいつでも不機嫌で、何に対しても批判的なアプローチをしているのか?」とね。なぜ笑えないのか? と自己観察してみてください。そうすると原因は見えてくるんです。で、見えてきてどんどん「もうちょっと、ほんのちょっと明るくしよう」と、自分にどういうプログラムができるのかも見えてきますね。私たちはどんどん訓練して修行して、いつでも笑えるような人間にならなければいけない。
ただ笑うだけではまずいです。笑いにも品格・道徳が必要です。笑えるなら何でもいいと、人をけなしたり嫌な気持ちにさせたりするのは、とんでもない悪行為になるんです。
だから、私が笑ったら相手も笑わなければいけない。そこらへんは人格向上というか、道徳が必要です。
道徳がある笑い方なら、人に笑われてもその人も笑っちゃいます。美しく笑える世界が現れてきます。笑えない場合は自分のものの見方に問題があるんです。どんな人も自分自身の価値観バイアスを持っています。何があってもそれに合わせて見てしまうんですね。そちらに問題があるんです。
例えば自分の名前を呼ばれた時、「君」か「さん」付けか、または呼び捨てか、思い通りに呼ばれないとそれで怒ってしまう人がいます。反応は百分の一秒の速さで起こりますから、自己観察してください。瞬時に現れる、自分のプライベートなValue System(価値観システム)を発見してください。明らかにバカバカしい発見ですが、これがあなたを苦しめた犯人であって敵なんです。価値システムを持つことが問題です。それを外したければまず学んでください。しっかり学んだ人は丁寧に価値システムを心から抜くことは出来ます。だから自己観察してください。そうするとあなたもすごく笑顔で生活できる人間になります。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: こころ編4』
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