アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「職業の選択」です。

[Q]

    現在私は飲食店の経営と為替相場のトレード・株取引をしています。どちらも家族を養える程度の収益はあって、自分が瞑想修行できる時間も確保できています。そんな時、自分の会社に買収話がありました。以前より事業をどちらか一方に絞って集中した方が良いという考えはあったものの決めあぐねて迷っている状態でした。どちらも欲の方向に進んでしまうので、常に心に負い目の感情が出てしまいます。為替相場の方は一人でできる仕事なので、会社を経営するよりは人に迷惑を掛けなくて済むのではと思い始めました。家族を守るために、割り切るべきだとはわかっているのですが、このような分岐点にある場合、指針にできるような教えなどありましたら教えていただきたいです。


[A]

■精神的に楽な仕事が適職

    仕事をするのは家族を養うためだから、どちらの方が安定するのか、それから煩わしさはどちらの方が少ないか、そのポイントで判断すれば良いんです。仕事のためにメチャクチャ頭を痛めて、ストレスがかかって……っていうのはちょっともったいないですね。だからとても気楽で、精神的に落ち着いてさらに収入も安定している、という条件で判断すれば良いとは思います。
    収入を安定させるためには毎日頑張らないと。収入っていうのは安定しないものなんです。株取引なんかは特にそうですね。たまたま当たってたくさん儲かったからといって次もそうなるわけじゃないし。そういうことで、毎日、収入を安定させるために頑張らなくちゃいけないという点ではどんな職業でも同じです。そのためには、迷信無しに、煩わしさが少ないという基準で頑張れば良いんじゃないかなと思います。



■出典    『それならブッダにきいてみよう: ライフハック編2』
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