『サンガジャパンVol.13』特集「言語と仏教(2013年)


出版社 ‏ : ‎ サンガ
発売日 ‏ : ‎ 2013/3/25
単行本 ‏ : ‎ 273ページ
 

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特集「言語と仏教」

 仏教は、約二六〇〇年前にゴータマ・ブッダが悟りをひらいたことによって始まった。そして、仏道を学ぶ者なら誰しも、その悟りを目指して道を歩む。

 しかし、ブッダが悟りをひらいたという「体験」そのものは、私たちもまたブッダと同様に悟りをひらくまで共有することはできない。にもかかわらず悟りを目指し努力をするためには、自らがまだその「悟り」を体験してはいないが、それが目指されるべき素晴らしいものであると理解できる必要がある。

 だが、先にも述べたようにブッダの悟りの体験を(私たちがブッダ同様に悟りをひらくまでは)共有できない以上、その体験は言葉によって伝えられるしかない。そこには当然、体験そのものとの間に乖離が生じ、多くの解釈が生まれる余地がある。そして、そこからいくつもの宗派が生じる。果たして私たちはそのような言葉によって生じる齟齬を乗り越えることは可能なのであろうか? そのような問題意識から、今号では、「言語と仏教」というテーマに多様な角度から肉薄することを試みてみた。

 本特集を通して、仏教と言語をめぐる豊饒なコミュニケーションにまた新たな1ページを加えることができるのなら、幸いである。

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目次

 

橋爪大三郎
言葉の観点から見る仏教
プラユキ・ナラテボー
たかが言葉、されど言葉
ネルケ無方
『現成公安』を逆輸入する試み
石飛道子
幸せになるための「ことばの使い方」
藤本晃
「妙好人」源佐は預流果に悟っていたか
師茂樹
井筒俊彦の「深層意識的言語哲学」をめぐって
中村圭志
経典のことば
ティク・ナット・ハン
すぐに効果が表れるプラムヴィレッジの「呪文(マントラ)」の使い方
 
アルボムッレ・スマナサーラ
シリーズ「『アビダンマッタンサンガハ』を学ぶ(Ⅱ):十の観智」
田口ランディ対話シリーズ
仏教のコスモロジーを探して:親鸞の論理 南無阿弥陀仏の言語論 第三回 本多弘之
藤本晃
連載第八回 仏教としての浄土真宗:自力と他力