『サンガジャパンVol.18』特集「インドシナの仏教(2014年)


出版社 ‏ : ‎ サンガ
発売日 ‏ : ‎ 2014/8/25
単行本 ‏ : ‎ 244ページ
 

*クリックポストにてお届けします。
*注文後、4日以内に発送いたします。
*2冊以上のご購入や他の号と同時ご購入をご希望の方は info@samgha-shinsha.jp までお知らせください。個別にご対応いたします。

-

-



特集「インドシナの仏教」

 テーラワーダ仏教、上座仏教の異名といえば、南伝仏教である。つまり中国、朝鮮半島を経由して日本に伝来された、北側ルートで広まった仏教=北伝仏教に対して、南側ルートで広まった仏教だ。今のインドとネパールが接するあたりに二六〇〇年前に誕生したのがブッダ=お釈迦様であり、その教えを伝え継ぎ、実践している仏教である。

 日本には、「仏教は、百済・中国からもたらされたもの」という常識がいまだ厚く覆っている。そして、たとえば、「仏教の粋といえば日本仏教であり、精緻でミスティックな仏教の理想といえばチベット仏教」というような感覚が、なんとなくのうちに私たちの中にあるのではないだろうか。

 今回の特集の問題意識を率直に言えば、「日本人は、南伝仏教を、同時代の文化として真正面から捉えることをしてきていないのではないだろうか? 観光的なコンテンツとしてしか、向き合ってこなかったのではないだろうか?」ということである。

 東南アジアの国々では、この同時代において、テーラワーダ仏教を信仰し、その文化の中で仏教を生きているはずである。日本で死者を弔う儀礼が当然のように仏教のしきたりで行われ、僧侶が読経するのを当たり前とするように、東南アジアのテーラワーダ仏教文化圏では、テーラワーダ仏教の文化を生きているはずである。

 南伝仏教、インドシナ半島のテーラワーダ仏教の現在の一端を、本特集から受け取っていただければ幸いである。

-

-

目次

-

巻頭グラビア「特集 インドシナの仏教」
カンボジア仏教の現在を知る
・第一部 カンボジア仏教の歩み  馬籠久美子
 1 カンボジアの近現代と仏教
 2 マハ・ゴサナンダ師の足跡
・第二部 カンボジア仏教僧とスマナサーラ長老の対話
 1 カンボジア仏教僧のお話
 2 カンボジア仏教は世界を導く役割がある  アルボムッレ・スマナサーラ
アーチャン・ケヴァリ
タイの名僧アーチャン・チャーの足跡を尋ねて
星飛雄馬
アーチャン・チャーの兄弟弟子、アーチャン・マハーブーワ
プラ・パイサン・ウィサロー
森の修行を基盤に社会にコミットする、タイ・エンゲージド・ブディズムの論客僧
スラーク・シワラクサ
仏教に根ざした思想と行動で、世界の仏教を支援するタイの先鋭的な社会活動家の提言
藤本 晃
村の僧と森の僧
大來尚順
心の旅路とインドシナツアー顛末記
高野秀行
聖と俗の厳しくもゆるやかな一線
西澤卓美(ウ・コーサッラ西澤)
ミャンマー仏教はどのように現在まで続いたか
蛭川 立
連載第四回 心物問題の形而下学に向けて:時計の時間と夢の時間
藤本 晃
連載第三回 日本仏教は仏教なのか?:インダスの継承者・諸仏の系譜(前)
西澤卓美(ウ・コーサッラ西澤)
パーリ経典から学ぶパーリ語入門