『闘う菩薩道』 

2,750円(税込)
サンガ新社[刊]
2025年12月刊行

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紹介

インドにおいて半世紀以上にわたりカースト差別と闘い、インド仏教を復興する日本人としてれ知られる佐々井秀嶺師の、初の単行本です。長らく絶版になっていた佐々井秀嶺師の2冊の自著、『必生 闘う仏教』(集英社新書、2010年)と『求道者:愛と憎しみのインド』(サンガ新書、2014年)を合わせ、新たに書下ろしを加え、さらに著者にゆかりの全国のお寺を紹介する日本地図を収録しました。佐々井秀嶺師の半生を自らの言葉でつづった決定版の一冊です。


目次

【目次】
★はじめに
★地図
★第一部 必生(ひっせい)闘う仏教
●はじめに(高山龍智)
■第一章 仏教との出会い
発心/世紀の苦悩児/大菩薩峠/邂逅/新興仏教青年同盟/戦争/檻の中の仏道修行/獄中の『歎異抄』/乗鞍岳/渡印/不惜身命と慈悲の人/龍宮城への旅立ち/八木上人の墓参り
■第二章 大楽金剛
ナグプール/アンベードカル/不可触民の現実/断食断水一五日/夜行列車の窓に/大欲得清浄/脱皮/煩悩は生きる力
■第三章 闘う仏教
闘う仏教とは/インド国籍を取る/大菩提寺管理権奪還闘争/アヨーディヤ事件/マイノリティコミッション/命を狙われる/元が整えば末も整う/南天鉄塔/支援のあり方
■第四章 必生
四四年ぶりの帰国/高尾の緑/宗派根性/僧侶を避ける小学生/自殺大国日本/十界を巡れ/悩み無き人生は、無/必生/仏陀を背負いて社会の中へ/立ち上がる仏教
●おわりに 
★第二部 求道者 愛と憎しみのインド
●はじめに
■第一章 差別の地―インドで仏教の地歩を築く
不可触民の渦中へ/インドの人々とともに生きる仏僧として/龍樹に導かれて/一九六八年ナグプールに来たる/一つのカーストに一つのお寺が……/毎日お勤めする読誦経典を編集する/寺に来る出家希望者/結婚式で稼ぐ坊主/志ある人々/信頼のおけるやつダンマボディ/坊主から市長になったシーラナンダ/次世代を担う仏教徒を育てる/三人の沙弥
■第二章 インドの宗教と政治に対峙する
潜在する差別/形式だけの政教分離/マイノリティコミッションメンバーへの誘い/アンベードカルの意志を継ぐ行動とは/マヤワティ首相という人物/盟友カンシ・ラムの謎の死/なぜ私がマイノリティコミッションメンバーに指名されたのか/マイノリティコミッションとしての私の目的―大菩提寺奪還
■第三章 龍樹菩薩の地を探して
龍樹菩薩の地マンセル/龍樹の伝説/マンセル遺跡の発掘/侵略に対して人を守るアンベードカルの不殺生戒/インド仏教に関心を持たないダライ・ラマ一四世/私に面会を求めてきたダライ・ラマ
■第四章 インド民衆とともに生きる
インドの食生活/インド人は酒癖が悪い/インドで病気になる/インドで毒を盛られる/断食で死にかける/断食を完遂した私を祝福してくれた仏教徒たち/「ジャイ・ビーム」を発した瞬間/私の説法術/改宗式を始める/仏教式の結婚式/異教徒間の結婚/インドの虚無、死の観念/煩悩強き女/法華経の祈祷水
■第五章 南天一乗の仏教を生きる
「空」にも命がある/命により成り立つ縁起の法/ブッダ入滅の年に至る/私は、のたれ死にたいのです/二〇一四年七月、病に倒れる/インドの悲しみ/インドは仏教国になる/私の中には信念の鉄塔が入っている
★第三部 この十年 あとがきにかえて
コロナ禍の騒動/日本のご恩あるゆかりの方々/インドでの私の使命のこの一〇年/私を支援してくださる方々/二〇一一年、東日本大震災で変化した私の気持ち/命ある限り
・佐々井秀嶺師ゆかりのお寺
・佐々井秀嶺師略年譜
・用語解説(志賀浄邦)


著者プロフィール

佐々井秀嶺  (ササイシュウレイ)  (

1935年、岡山県生まれ。インド仏教指導者。1988年インド国籍取得。ラージヴ・ガンディー(当時の首相)からインド名「アーリア・ナーガールジュナ」を授与される。1960年、25歳の時、高尾山薬王院(真言宗智山派)にて得度。1965年タイに留学し具足戒を受け、1967年インドに渡る。同年インド中央部のナグプールに入りB.R.アンベードカル博士が数十万人の不可触民とともに興したインド仏教復興運動に身を投じる。毎年10月に行なわれる大改宗式で導師を務め、およそ1億人とも言われるインド仏教徒の最高指導者となる。2003年より3年間、インド政府少数者委員会(マイノリティ・コミッション)の仏教代表に就任。仏教徒の社会的地位向上に尽力。2009年、44年ぶりに日本に帰国。以来、2025年までに10度の帰国を重ね、全国を行脚。インド仏教興隆の実情を広く伝えるとともに、日本仏教界を叱咤激励し続けている。