世界の中にありながら世界に属さない[増補新版]』吉福伸逸

2,200円(税込)
サンガ新社[刊]
2026年2月刊行

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紹介

『世界の中にありながら世界に属さない』は、吉福伸逸の最後の作品として、2015年に株式会社サンガから刊行されました。吉福のまとまった講義としては結果的に最後のものとなった、2010年4月に行われた4日間のカウンセラー向け集中講義の記録をもとに書籍化。ラム・ダスの『Be Here Now』をはじめアメリカに生まれた新しい潮流の作品を翻訳して紹介し、日本に「精神世界」というジャンルを生んだ吉福は、翻訳と同時にトランスパーソナル心理学に代表されるニューエイジ発祥の各種セラピーを日本に紹介し、セラピストとしても大きな影響を与えました。本書は経験に根差すカウンセリングの知見にとどまらず、吉福伸逸の思想、人間観が凝縮した集大成といえる作品です。再刊にあたって旧版に未収録のワークショップの記録を大幅に増補しました。


目次

●なぜ語るのか

●四つの力
人を揺り動かす力/前景と背景/社会は自分で作り上げたもの/思考の力のエネルギー源/「考える」とは何か/世界を止める/感情の力のエネルギー源/想起の川/三つの力を育てる/存在の力のエネルギー源/関係性のエネルギー源/存在の美/三つの力のバランス

●自我と成長
なぜこんなにも長くわれわれは生き残るのか/自我の残痕とボケ/日本人の自我/明け渡しに導く社会/英雄の道/メロドラマの罠/自我の発生と二つの機能/自我の寿命/マトリックスの役割と移行/欠如のトラウマと過剰のトラウマ/女性性と母性/母親から家庭、そして社会へ/不安定なマトリックス/マトリックスの機能不全

●自己と社会
自己イメージと影/自我と自己/いびつな自己イメージ/身体を疎外する自我/境界線と投影/不安というジャンピングボード/機能上の自我/印象の集合体/社会はアクティングアウトでできている/人生を生きる衝動/存在の不安/アイデンティティの破綻
世界の中にありながら世界に属さな
人は成長しない/恐れずに破綻しなさい/愚かな自我という自覚/いったい何をしてきたのか/抵抗せずに受け止める/自分を自分自身からいかに自由にするか/愚かであることの勇気/何もしないこと/小さな共同体の修正機能/死の受容の問題/個の死と命の潮流/生と死のバランス/なぜセラピーをするのか/世界の中にありながら世界に属さない

■追補 ワークショップの現場から
身体のさまざまな部位に対する情動の影響/関係性の雛形/セラピストが提供する三つのもの/徹底的に受け入れて、手放す/別れる、手放す/男女の関係は執着関係/セラピーやカウンセリングをまともにやるには/自己嫌悪との葛藤

吉福伸逸年譜
編者あとがき
増補新版のためのあとがき


版元から一言

【推薦文】

不安と挫折と破綻こそが「人に成る」ための最大の契機だと、
君はアメリカから帰ってきた30歳の頃に喝破していたね。
そのためには「ちっちゃな共同体」にいるべきだと勧めていたね。
この遺作を読んでいると、いろいろ涙が出てきたよ。
松岡正剛(編集工学者)


大海の水でありながら、
一滴でありつづけること。
社会に参加しながら個であること。
なんという難題、なんというパラドクス。
しかしこれは普遍的な、そして今こそ一人一人が引き受けるべき課題ではないか。
この本にはそのための知恵が凝縮されている。
鏡リュウジ(占星術研究家・翻訳家)


著者プロフィール

吉福伸逸  (ヨシフクシンイチ)  (

1943年9月、岡山県生まれ。1966年に早稲田大学文学部中退。ジャズプレーヤーとして嘱望され、バークリー音楽院留学のため渡米するも音楽家としての挫折を経験。その後カリフォルニア大学バークレー校でサンスクリットを学び、当時、米国西海岸を中心に花開いていたカウンターカルチャーの渦に身を投じる。1974年に帰国後は、ラム・ダスの『ビー・ヒア・ナウ』をはじめとして、フリッチョフ・カプラの『タオ自然学』、ケン・ウィルバーなど新しい潮流を伝える多くの作品を翻訳、日本に「精神世界」というジャンルを生み出した。またトランスパーソナル心理学の紹介に精力的に取り組み、セラピストとしても活躍。多くの影響を与えた。2013年4月に逝去。享年70歳。