『サンガジャパンVol.33』特集「人間関係」(2019年)


出版社 ‏ : ‎ サンガ
発売日 ‏ : ‎ 2019/8/24
単行本 ‏ : ‎ 399ページ
 

*クリックポストにてお届けします。
*注文後、4日以内に発送いたします。
*2冊以上のご購入や他の号と同時ご購入をご希望の方は info@samgha-shinsha.jp までお知らせください。個別にご対応いたします。

-

-



特集「人間関係」

 内閣府による「国民生活に関する世論調査」(二〇一八年度)によれば、六三・〇%が日頃の生活の中で「悩みや不安を感じている」と回答している。そのうち「勤務先での仕事や人間関係について」が一二・七%、「家族・親族間の人間関係について」が一二・九%となっている。つまり、悩みの四分の一は「人間関係」に起因するということになる。
 人は生まれてから死ぬまで、様々な集団と関わっていく。家族、学校、職場、地域、病院など、その都度、人間関係を構築し、変化させ、解体するという行為を繰り返す。仏教における八苦の中には「怨憎会苦」(憎い者と会う苦)や「愛別離苦」(愛する人と別れる苦)が挙げられているが、人付き合いの中には常に何らかの苦しみが存在し、私たちは多かれ少なかれ人間関係のストレスを感じながら生きている。
 その原因の一つとして、自分と他者との間に生じるズレが挙げられるであろう。意見、価値観、方向性、感覚の様々なズレが、他者との関わり合いの中で発生する。机の位置がズレるといったモノの場合であれば、修正方法は明白だ。しかし、人間関係がこじれたときなどは、具体的な原因がわかないときもある。そんなとき、関係を修正しようとすればするほど、解決するのが難しいほうに向かうこともある。また現代社会では、直接的な人付き合い以外に、インターネット上の付き合いも重要なコミュニケーションの場とみなされ、「SNS疲れ」という新たな問題も生まれている。
 対人関係の本質とは、何なのだろうか?自分なのか、他者なのか、それとも両者の間に存在する何かなのだろうか?円滑なコミュニケーションをとるにはどうすれば良いのか?
 人間関係の問題は、仏教が明解に解決策を提示していくテーマである。しかし、今回は、仏教の智慧ばかりではなく、哲学者、精神科医、ノンフィクション作家、書店員とさまざまに異なる立場から、「人付き合いの悩みを解決する方法」を紹介する。

-

-

目次

 

岸見一郎
インタビュー「「今、ここ」を生きる勇気 アドラー心理学に学ぶ「対人関係の問題」の乗り越え方」
アルボムッレ・スマナサーラ
ブッダの智慧で解決! 人間関係Q&A
水島広子
インタビュー「ありのままの自分を許し、楽になる。 人間関係の悩みを解決する「対人関係療法」からのアプローチ」
プラユキ・ナラテボー
抜苦与楽でお悩み解決! 新シーズンの人間関係も軽やかに
高野秀行
インタビュー「世界の人と仲良くなる8つのマル秘テクニック」
ネルケ無方
インタビュー「さようなら、安泰寺[前編] 師匠と弟子。妻と子ども。人間関係を軸に語る、愛と覚りの三〇年」
藤野正寛
生きづらさへの処方箋」三砂慶明 「身体の声に耳を澄ます
田口ランディ×藤田一照
ブックフェア「ポトラ」トークセッション 二年連続一挙掲載
松本紹圭×家入一真
新連載 Post-religion対談:第一回 プラットフォームとしての親鸞とインターネット――「仏教の民主化」と「金融の民主化」
山下良道
新連載 和の時代の「仏教3・0」(1) 内山興正老師の『進みと安らい』を軸に
アルボムッレ・スマナサーラ
連載 パーリ経典解説 第七回「スッタニパータ(経集)第五「彼岸道品」 六、ウパシーヴァ仙人の問い[後編]
真栄城輝明×井上ウィマラ
連載 誌上シンポジウム「心理臨床と仏教:第二回 仏教の視点から内観療法のエッセンスを考える」
永沢 哲
連載第六回 光の哲学:第一部 虹の身体 第四章 ニャラ・ペマ・ドゥドゥル
藤本 晃
連載第十七回 日本仏教は仏教なのか?:日本的仏教のできあがり