アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「人との距離の取り方」です。

[Q]

    つるんでいる仲間から嫌われたくないし、仲間はずれになりたくないと思っていますが、最近、付き合いが煩わしいんです。距離の取り方を教えてください。

[A]

■距離感のない仲間関係は危険です


    どちらかにするしかないですね。仲間ならば完全に嫌われるということは無いですよ。お互いの性格を認めて付き合っているのだから。文句を言い合ったり、「付き合いが悪いぞ」とか言われたりするのは当たり前です。そういうことを認めた上での仲間でしょう?
    そんな中でも距離感というか、自分の世界を持ちたいという気持ちは誰にでもあるものです。もし自分の世界が全く無いのであれば結構ヤバいです。自分の世界・自分のアイデンティティが無くなったらもう人間ではありません。仲間といる時だけアイデンティティが出てきて、仲間を離れると何もできなくなるという状態はものすごく危険です。何をしでかすかわからない生き物の集団になってしまいます。だから、なかなか折り合わなくても、いろんな問題があっても続いている仲間こそがいちばん健康的な仲間だと言えるのです。つるんでいる仲間からしばしば嫌われたり批判されたりするのは、いい関係の証拠ですよ。


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