【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「善行為をして生きるために」です。
[Q]
自分の行為が善行なのか不善行なのか、智慧のある判断ができる生き方をしたいと思います。しかし、判断で迷うところが結構あります。どのように判断すればよろしいのでしょうか? 自分の良心に引っかかること、ヤバイと思ったことはしない方がいいのでしょうか。
[A]
■勝負は「今の瞬間」です
「ヤバイと思ったことはしない方がいい」のは当たり前のことですね。そこで困ってしまうのは、ヤバイと思ったのにやりたくなる弱い自分がいるからです。ヤバイと思ったら止めておく、それができれば気楽に生きていられます。ヤバイと思っているのに止めることができなくて、どうしてもやりたいという気持ちとの葛藤があるから精神的に苦しむのです。瞬間の私しか存在しないのですから、執着せず、ヤバイと思ったら終わりにする・止めると楽なのです。
大切なポイントがあります。今日一日失敗しないように頑張るぞ、というのは時間間隔が長すぎますね。今日失敗しないぞと朝に決めたとしても、昼になると疲れてしまって、嫌になって失敗してしまう可能性が高いです。ですから、瞬間の論理に戻る必要があります。「いま失敗しない」という論理です。それだけです。今日(二十四時間)というのは、時間間隔としてはあまりにも長すぎます。何が起こるかわかりません。瞬間の自分しかないのです。私たちには二十四時間何かを続けるという、そこまでの持久力はありません。正月になると今年の目標とか抱負を語ったりするでしょう。しかし、実行・達成した人はほぼいませんね。
ですから、今日一日ではなく今のことを失敗しないよう「いまの瞬間」と時間間隔を短くして生きてみてください。頑張ってください。
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