【スマナサーラ長老に聞いてみよう！】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「敵を作って発奮するのはダメ？」という相談にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
私は生来怠け者なのですが、敵を設定するとものすごく頑張れるのです。それってダメなのでしょうか？
[A]
■ライバルに依存してはいけない
それはダメですね。怠けるというのは心の本質ですから、人に比較して頑張るということでは依存症になってしまいます。
そうではなく、自分を叱ったほうがいいのです。「怠けないぞ」と、自分で自分の心に言い聞かせてください。他人は関係ありません。生命は本来、怠け者なのだと理解すると、「怠ける性格」も嫌なことではなく、ごく普通のこととして適切な対策ができます。恥ずかしくなることも、敵を作って踏ん張ることもないのです。
必要なのはつねに自分で自分を奮い立たせることです。そのために、他人を「敵・ライバル」として使ってはいけません。自分が成長するために他人と比較する、という場合は、尊敬できる目上の人や自分を助けてくれる人格者のことを考えてください。そういう人を自分の模範として立てるのは良いことです。ライバルを想定するとライバルに依存することになります。それだけで人生が不幸になるのです。
■出典 『それならブッダにきいてみよう：こころ編２」 