【スマナサーラ長老に聞いてみよう！】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは落ち込んでしまって上がってこられなくなってしまったときの対処法についてです。
[Q]
「怒り」のバリエーションには落ち込みもあると知りました。私はいつも落ち込んでしまいます。自分がだめだなと思ってしまって、落ち込んで上がってこられなくなるのです。どうすればいいでしょうか？
[A]
■「私は正しい」という恐ろしい病気
落ち込むことも怒りです。それも「私は正しい」という恐ろしい病気から起きるのです。自分が正しいなんて成り立たないことです。完璧な自分なんかいるはずがないのですから。でも「私のやることは全てうまく行く」と思っている…つまり錯覚しているんです。でも、事実はほとんどダメ。「自分は完璧な人間ではありません。でも、だから何？」と思うのが正しいのです。自分のダメなところや不得手なところは他の人が補ってくれるものです。逆に、他の人にはできなくて、自分にできることがあれば、気持よく補ってあげればいいだけのことです。人がひとり勝手に「完璧」になりたがったら、もう病院に行くしかなくなるのです。落ち込んだところで、心に怒りの毒がまわって、持っている能力も失ってしまいます。それはもったいないことですね。「だから何？」という言葉を人生に入れることで、怒りの毒から身を守って楽しく生きられます。
■出典 『それならブッダにきいてみよう：こころ編１』 