【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「寝て夢を見ている時も瞑想はできるのでしょうか?」という相談にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
ヴィパッサナー瞑想は二十四時間体制でやると聞きました。寝て夢を見ている時も瞑想はできるのでしょうか? 何をどのようにするのでしょう? 夢の中だと自分の意志と関係なく物事が進むように思いますが。
[A]
■夢の中でも実況中継は可能
一般的にはそうですね。いつも現実世界を観察していて、その習慣が身体に染みついているならば、夢を見ても「あぁ、これは現実じゃない」と気づけますよ。夢の中でも理性が働くということです。ちょっと瞑想してみればできます。特にすごい能力ではありません。驚く必要もありません。
ヴィパッサナー瞑想で「二十四時間体制」を強調する場合は、理論的なことを言っているのです。ヴィパッサナー瞑想を論理的に定義するならば「生きることの研究」です。であれば、自分が生きている時に研究をしなくてはいけないのです。自分が生きていない瞬間というのはどんな瞬間でしょうか? 例え寝ている時でも、私たちは生きているのです。つまり、二十四時間生きているのです。生きることを研究するならば、結論として二十四時間研究することになるのです。これはセオリー(理論)です。
具体的には、目覚めている時、起きている時に、実況中継して瞑想することができます。寝たらその意識がストップするのですから、実況中継はできなくなります。夢というのは妄想が現れたということです。妄想したということなら、意識が働いているのです。それで目覚めている時に、サボらないできちんと修行をしていたならば、サッと実況中継が割り込んできます。
実況中継をやりたくなくても勝手に割り込んでくるまで訓練しなくてはいけません。わざわざ「瞑想するぞ、修行するぞ」ということはでは無く、やりたいわけでも、やりたくないわけでも無く〝勝手に実況中継が割り込んでくる〟。そこまで頑張ってみてください。その場合は、夢を見たとしても勝手に実況中継が起動します。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編1』