【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日テーマは「無常」と「空」です。
[Q]
「無常」「空」とはなんですか?
[A]
すべてのものは現れては消えます。世界は「現れては消える」ことの連続です。実体的なものはなにもないということを「無常」といいます。「空」「無我」も同じ意味です。世界は蜃気楼のようなものだということです。
「空」とは「空っぽ」ではなく、蜃気楼です。蜃気楼は、光の屈折により作られている現象ですが、私たちの肉眼には、本当にそこに山や木や湖があるように見えます。しかも、「なんてきれいなんだ」と思うなど、私たちの感情まで、実体のない蜃気楼によって変化します。ところが実際に行ってみるとなにもありません。しかしそれは、「本当になにもない(虚空)」という意味ではありません。原因によって、一時的に現れている現象なのです。
「私」にしても、身体が虚空なわけではないのです。しかし、だからといって実体的な、永遠不滅な「これ」というものはなにもありません。それで「無我」ということになるのです。
■出典 『ブッダの質問箱』