西洋の心理学は自己(self)の存在を前提にして成り立っているが、仏教の心理学は無我(non-self)から出発している。この点で両者はまったく異なるパラダイムに立っている。 これを無視して仏教を心理学化しようとするのは、仏教の矮小化であり歪曲ではないのか?
 


藤田一照(曹洞宗僧侶)
(サンガジャパンVol.3 「『心理学・心理療法としての仏教』雑感」)
※肩書は掲載時