アルボムッレ・スマナサーラ
【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「優柔不断を直したい」という悩みにスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

    優柔不断さで人に迷惑をかけることがよくあります。優柔不断はどうしたら直りますか?


[A]

■心の弱さへの処方箋は単純

    なぜ優柔不断になってしまうのかという原因を調べて、それを取り除かなくてはいけません。
    あなたが言う優柔不断というのは、あなたの精神状態の結果、総合的な結果なのです。優柔不断だけが単独であって、ピンセットでつまんで外せるといった、物理的なものではないのです。色々な条件から出て来た結果なのです。
    心の弱さには、いたって単純な答えがあります。「やめなさい」というだけです。納得いかないでしょう?    しかし単純にそれしか答えがないのです。
    「私はしょっちゅう怒ってしまいます。どうすればいいでしょうか?」という悩みには、「怒らないこと」という答えがあるだけ。怒るのは自分でしょう?    自分との戦いなのです。だから心の問題への答えは「やめなさい」で終わり。
    そこで困るのは、「止めたいのだけど、どうにも止められない」ということなのです。それでも、単刀直入に「やめなさい」と言います。どんな弱みに対しても、同じ答えです。
    「仕事を後回しにしちゃって、同僚にも迷惑をかけることもあります。どうすればこの怠け癖が治りますか?」
答えは、「怠けをやめなさい」です。それだけ。身体の問題だったら、そうは言えません。たとえばコレステロール値が高くて、血管が硬くなっている。その人から「どうすれば治りますか?」と訊かれたら、環境やら生活習慣の結果で起きたものだから、医者に時間をかけて治療してもらわなくてはいけません。その場合は「やめなさい」は答えではありません。コレステロール値が高い場合に、「そのコレステロールを捨てなさい」は成り立たちませんね。
    心の場合はいたってシンプルで、「やめなさい」という、それだけで終わりなのです。
    ですから、答えは「優柔不断はやめなさい」です。優柔不断なのは、自分一人では物事の判断ができないからでしょうね。まず、そこから治すのです。いまは、別の事をやりたがって、別の事を考えて妄想している状態です。その結果、優柔不断になっている。世の中ではやる前から何が正しいか・何が悪いかわかりません。やってみて結果が出たら「あ、これは間違った」「これは正しかった」とわかる程度です。流れで判断していけばいいのです。あらかじめ正解を選ぶ、ということはあり得ないのです。大きな判断の場合は、いろいろなデータを参考にすることができますが、データも無い小さな判断では、YesになるかNoになるか、わからないけどやるしかないのですから。ちょっと気楽に「間違っても別に構わないや」というスタンスでいていください。だって、やってみなくてはわからないのですから。やってみて結果が悪かったら、次はがんばろうという気楽さが必要なのです。そういう気持ちでいれば、良くなっていく可能性があります。


■出典    『それならブッダにきいてみよう: こころ編5』
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