【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「俗世間で無駄話をしないというのは難しい」という相談にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
無駄話をしないように心がけています。家族や職場で無駄話をしないようになると、変人扱いされるかもしれません。俗世間で無駄話をしないというのは難しいと感じます。何かアドバイスがあれば教えてください。
[A]
■世間の常識としゃべること
俗世間では社会常識として決まっていることをしゃべらなくてはいけません。その程度です。普通、知り合いと会ったら「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と挨拶を交わします。別に意味を持っている言葉では無いし、また相手に情報を伝える行為でもないので、挨拶の言葉は無駄話だと理屈をつけても構いません。
それでも、社会のしきたりに従って正しく挨拶を交わしましょう。なぜなら、その行為によって人間の社会はスムーズに動くので良い結果になるのです。ですから、無駄話を戒める人は挨拶までも止めることはしません。皆で仲良くご飯を食べる時、ちょっと冗談でも言って皆を笑わせた方が雰囲気が明るくなります。無駄話の戒めを守ろうと思って、完全な沈黙を守って誕生パーティーを終える必要は無いのです。
挨拶やコミュニケーションが偏見になってはいけません。正式な挨拶とはこういうものである、こうしなければいけない、と固執してはいけません。いつでも心を自由にして、柔軟にしておいた方がいいのです。相手に対してたまには冗談を言う必要があって、たまに愚痴を言った方がいい場合もあり、それで何かが解決するわけではありませんが、その場その場で必要に応じてしゃべることが大切なのです。しかし、延々としゃべるのは良くありません。
ですから、無駄話を止めようと思うなら「必要なことを手短にしゃべる」と決めてください。それは八正道の正語という意味でも結構な修行になるはずです。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: ライフハック編2』
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