壁の前で、本当にひれ伏すというか、もう自分を投げ出して、私はもうどうなってもいいから、山になれ、川になれというような感じでいると、「なんだ、壁はなかったんじゃないか。壁だと思っていたものは、何もなかったんだ」と気づきます。壁をふっと通ってしまうのです。



───────────────────────

ネルケ無方(曹洞宗僧侶)
(サンガジャパンVol. 33「さようなら、安泰寺[前編]」)
※肩書は掲載時