【スマナサーラ長老に聞いてみよう！】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「怒らせてしまった相手との関係を修復するには」という相談にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
私の過ちで相手をひどく怒らせてしまったことがあります。怨みに達するところまで相手を怒らせてしまった場合、どうやって関係を修復すればいいのでしょうか？
[A]
■謝罪と賠償のあとの「仲直り」はあなたの管轄外です
どんな相手かによって答えが変わりますので、一般論の答えはありません。まずは相手に謝ること、そして損害を賠償すること。相手の心の傷が治らない場合もありますが、謝罪と弁償の義務を果たすしかありません。
それから「元のように仲直りするためにはどうすればいいか？」というのは余計な考えです。それは自分の管轄ではないのですから。あなたが犯した過ちを許してあげるか否かは相手の管轄になります。「弁償してもらったからチャラにしてあげよう」というのは弁償された人の考えることですからね。相手が許してくれなかったら、それはその人の気持ちだと放っておくことです。
人は誰とでも仲良くすべきだというのは理想論で実際には不可能です。
現実的には、仲良くするのは身内の小さなサークルなので、その他の人々には慈しみの気持ちを持つことです。現実はそんなものでしょう？ 実際には、仲良しの人が増えると生きることが苦しいんですよ。だから、相手が幸福であって欲しいと思うだけで終わることです。
相手がまた仲良くしようとやって来たなら、そうすればいいだけの話。こちらから、また仲良くなることを期待するものではありません。
■出典 『それならブッダにきいてみよう：人間関係編」 