上座部仏教では慈悲の祈りをするとき、まず「私が幸せになりますように。私の苦しみがなくなりますように」と祈ります。私も一個の尊い存在として認め、その苦しみに共感し、慈しんでいく。そしてそれをだんだんと周囲の人から生きとし生けるすべての生命にまで広げていく。決して自分を抜きにしてではありません。
と同時に、もちろん自分だけ幸せになればいいという自己中心的な考え方でもありません。
プラユキ・ナラテボー(日本人テーラワーダ仏教僧侶)
(サンガジャパンVol.33 「抜苦与楽でお悩み解決!新シーズンの人間関係も軽やかに」)
※肩書は掲載時