【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「親の介護」です。
[Q]
親の介護をしています。ただ親は仏教でいう五戒(不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不妄語戒、不飲酒戒)を破っているので、そういう親を介護しているとどうしても私は「止めなさい」と言って不満が溜まります。こんな親からは離れたいとも思います。どうしたらいいでしょうか? 親が五戒を守らないことに目をつぶった方がいいのでしょうか?
[A]
■他人ではなく自分の問題に取り組んでください
あなたにとって親は親です。親子といっても結局は個人です。生命は皆、それぞれ個人です。他人が言うことなど聞いてくれません。親はあなたの面倒をみて、育ててくれた生命体ですから、あなたはただシンプルに優しい気持ち、心配する気持ち、慈しみの気持ちで介護してあげてください。
それで親が五戒を破ろうが、あなたは自分の意志で五戒を守ってください。それで充分です。五戒を守ることを他人に押し付ける必要はありません。親の態度にあなたが腹を立てていることは、それはあなたの問題です。性格的に未熟なところです。落ち着いて大人になってください。看護師・介護士さんのように優しい人間になってください。まだ頭が、性格が硬いのです。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: 人間関係編2』
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