お悔み

『ミンミン蟬の焼死体』の著者・松井美文さまご逝去のお知らせ

先ごろ日本テーラワーダ仏教協会様からも機関紙『Paṭipadā』B.E.2567/A.D.2023.8月号(通巻342号)を通じてお知らせがありましたが、(宗)日本テーラワーダ仏教協会前会長で、サンガ新社より刊行の『ミンミン蟬の焼死体』の著者・松井美文さんが、去る6月26日に御逝去されました。
享年76歳でした。

サンガ新社を立ち上げた2021年、松井さんからのご提案でサンガ新社から『ミンミン蝉の焼死体』を刊行することになりました。
打ち合わせのために松井さんが作業場とされている都内のお部屋にお邪魔しましたが、まさに「男の遊び場」というか、作品と、本と、ガジェットがいっぱいに詰まった空間にびっくりしました。
哲学、美術、文学の造詣が深く、浅学の私では追いつくのが大変でしたが、語る言葉がとてもチャーミングで、それらのことがすべて作品世界に注ぎ込まれているのだなと思ったことを思い出します。

前作の『季節はずれのキリギリス』が作家の椎名誠さんに書評で取り上げられたのですが、松井さんの作品には独特の空気感があります。
『ミンミン蟬の焼死体』も読む度に発見があり、引き込まれます。いわく言いがたい魅力があるのですが、一つには映像的な作り込みがあり、作品の中に流れている時間の手触りがリアルなのです。たとえて言えば、寺山修司などの前衛的な実験映画を観るときの味わい深さのあるのです。
そんな発見というか感想を著者の松井さんにお伝え出来ないのが残念です。

心よりご冥福をお祈りいたします。
合掌
サンガ新社(川島)

『ミンミン蟬の焼死体』はアマゾンでご購入いただけます。
 


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