【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「固定概念をなくす方法」です。
[Q]
固定概念をなくしていく方法を教えてください。
[A]
■五つの実践リスト
いくつか実践するリストがあります。
1. 「我は思う。故に我こそが正しい」という、誰でも持っている態度を改良するのです。各個人に、自分の意見/価値判断/好き嫌い/ものの見方があると認めること。「我は正しい」と錯覚するのはどうしようもないですが、誰一人として、正しくもないし間違ってもいません。
皆ただ、自分の意見・主観を持っているだけです。無知な人間の隠れ家である固定概念で、ワンパターンに他人の意見に乗るだけで物事を判断するのは、無知に支配されているがゆえです。(固定概念で判断するのは結構楽ですよ。考える必要がないですから。)
2. すべての生命に対して、慈しみを実践する。
3. 常に理性で物事を考える練習をする。(例えばマスコミが、ある人や国を一方的に非難していたら非難される側の立場もシミュレーションしてみる。)
4. 判断する時は、自分の意見・好み・希望を後回しにして、相手に対して良いことは何かと考える。自分個人の好みなどは当然、固定概念です。(好きな本、好きな音楽、好きな食べ物、嫌いな云々……)個人の自由だから構わないと思われるでしょう。しかし、それで、自分の範囲は狭くなるでしょう。個人的にも範囲を広げる努力をすることです。
5. ヴィパッサナー実践で客観的な観察能力が上がると、固定概念が薄くなって消えます。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:こころ編2」