【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「マイナスの感覚や感情を冷静に観ることができないのですが」という悩みに、スマナサーラ長老が答えます。
[Q]
感情に流されないように、自分の感情を観ることを普段からしようと心がけていますが、身体が痛かったり、心がだるかったり、そういうマイナスの感覚や感情を観察し続けるということは難しいです。マイナスの感覚や感情を冷静に観ることができません。アドバイスをお願いします。
[A]
■「マイナス」という判断が間違いのもとです
この世の中では、当然・あたりまえのことしか起こりません。問題は、感覚や感情をマイナス・ネガティブと自分で判断してしまったことなのです。例えば立ったままでいると、身体が痛くなることは当然のことです。それはマイナスの感覚ではありません。そういう時は、ニコニコと「あぁ、足が痛いな」「疲れた」「痛み」というふうに観てください。その感覚・感情を良い悪いと判断しないで観察してみてください。世界はマイナスでもプラスでもなく、ネガティブでもポジティブでもないのです。ただ自然の流れがあるだけです。頭でっかちに判断しようとする、そこに問題が起こるのです。
ですから感覚や感情は、ただそのまま観るだけで充分なのです。痛みを感じたら「嫌だな」と感じるのは誰だって当然のことです。誰も痛みを期待していませんよ。ただ肉体に痛みという感覚が起こっているだけ、というふうに観察してみてください。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編2』