【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「子供をつい心配しすぎてしまう」という悩みにスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
子供の病気が心配ですぐあれこれ考えてしまいます。「心配する」というのは瞑想すると直りますか? また、瞑想したら子供の病気が良くなるということはありますか?
[A]
■二種類の「心配」を区別しましょう
一番目はできますが、二番目は無理です。自分が瞑想して子供を何とかしようというのは、「私が薬を飲めば子供の病気が治る」というのと同じことでしょう。良くなるどころか、親が心配ばかりしていることで子供がストレスを感じたり、逆に「迷惑をかけているのではないか」と心配したりして、かえって治りが悪くなることもあり得るのです。
心配には二種類あります。「慈しみになる心配」と「怒りになる心配」です。早く治って楽になりますようにと、純粋に相手の幸せを願うのは慈しみの心です。慈しみの心配なら相手に良い影響を与えるので治りも早くなります。しかし、「嫌だな、なんでうちの子が病気になるの? 早く治らなくちゃ困る」というような心配は「怒り」で悪い波動です。
一人ひとりが、この二つの「心配」を区別できるように工夫しなくてはいけません。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:教育編1』