アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「どうすれば友達ができるのか?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。


[Q]

    どうすれば友達ができますか?

[A]

■与えることで友達関係が成り立ちます

    友達が欲しいということは「他人から貰いたいもの」があるということです。物品に限らず、得たいものがあるならば、自分から与えるものがないと関係は成り立ちません。だから友達をつくるということは、自分も与える何かを持っているということです。
    例えば、自分がすごく容姿端麗な人間だったら相手はその美しさを求めるでしょう。見ているだけで楽しくなるのだから、特に何もしなくても美男美女はモテます。〝美〟という与えるものがすでにあるからですね。しかも与えても減りませんし、自分の美しさを見てみんなが喜ぶのだからそれは喜びを与えているということです。    
    またおしゃべり上手で、巧みな話術で場を盛り上げる人もいるでしょう。みんなそれを聞いて楽しいのです。それも強いて言えば他人に喜びを与えているのです。それで友達ができるんですね。    
    それほど容姿も良くないし、口下手な人はどうすべきかということですが、自分の持っているものを与えればいいのですよ。これから美女やイケメンになろうとがんばっても無理ですし、口下手な人は無理してしゃべり上手にならなくてもいいんです。
    例えば、無口な人は〝黙っている〟という個性を与えてあげる。そうすると友達ができます。だいたいの人はしゃべりたくてたまらないんですよ、でも聞いてくれる相手がいないのです。とにかくしゃべりたいという人に寡黙な人を組み合わせたらどうでしょう?    そういう人はよく聞く能力を育てているものです。親密な友達関係が成り立ちますよ。
    それぞれが持っているものを与えるのです。テレビ番組でもブサイクで人気が出る芸能人がいますよね。その人たちがプロとして契約する場合はそのブサイクさを買われているわけです。醜くて笑われて……というキャラクターを見事にこなしています。醜いことで名を成し、お金持ちにもなれて幸せでしょう。
    だから友達をつくるということはそれほど難しくありません。お釈迦様は「与えることで友達関係が成り立ちます」とはっきり教えています。ある経典の中で、ある神霊がお釈迦様に「友達はどうすればつくれますか?(kathaṃ mittāni ganthati?)」と質問したところ、「与える者が友達をつくります(dadaṃ mittāni ganthati)」と、たった一行で答えました。それが絶対的な正解なのです。


■出典    『それならブッダにきいてみよう:人間関係編』 

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