小野常寛(普賢寺住職)
聖地ブッダガヤで開催された国際サンガフォーラム2023に参加され、世界で活躍する僧侶の一人として壇上でスピーチを行い、ダライ・ラマ法王にも謁見、各国僧侶ともリアルに交流を図り、世界仏教の潮流を肌で感じられた小野常寛師(天台宗・普賢寺住職)によるレポートをお届けします。全4回連載の最終回です。
第4回 ブッダガヤで世界平和を祈る
■世界平和祈願法要
最終日である4日目は大菩提寺(Mahabodhi Temple)の菩提樹の御前にてサンガメンバーが一堂に会し、ダライ・ラマ法王猊下を大導師として世界平和祈願が執り行われた。世界中の平和を希求する想いが込められた読経は11の言語によって行われ、大菩提寺に声高らかに響き渡った。
ブッダガヤの菩提寺
言語は違えど、平和を希求する思いは皆同じである。仏教という法の灯火のもとに世界中から集ったサンガメンバーが、互いの慈しみを感じることのできる大変貴重な時間であった。
ダライ・ラマ法王はこう仰った。
「心の煩悩が鎮められる方法を理解すれば、私たちは道を辿ることで最終的な悟りに到達できることがわかるでしょう。これが、私が皆さんと共有したいことです。ブッダの教えを自分自身の内に統合することです。」
仏教において最も重要である大菩提寺において、このお話を聞くことができたのはまさに珠玉の一時であり、今までに感じたことのないような平和に満ちた時間であった。