アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「悟りの光とは何か?」です。

[Q]

    『慈悲の瞑想』に「悟りの光が現れますように」という表現がありますが、「悟りの光」とは何なのでしょうか?

[A]

■「智慧」の文学的表現


    「悟りの光」というのは文学的な表現です。昔から智慧と光・無知と暗闇というセットで表現されています。物質的な明るさ・暗さということではありません。お釈迦様も悟ったと表現するのに「光が現れました(āloko udapādi)」という言葉を使いました。これは照明が現れたということでは無く、今まで闇にいて、その闇が晴れたという意味です。ですから、「悟りの光が現れますように」とは「智慧が現れますように」という意味になります。

《では、具体的にどういった智慧が現れることを指しているのでしょうか?》

■諸行無常を知って心が変わること

    「すべては無常である」ということがわかれば、それが智慧です。智慧が現れると今の思考パターンがすべて変わってしまうのです。心が変わるという意味ですね。「諸行無常(Sabbe saṅkhārā aniccā)」「一切皆苦(Sabbe saṅkhārā dukkhā)」「諸法無我(sabbe dhammā anattā)」というのは、同じ意味のフレーズです。これは個人差に合わせて智慧を表現している3つのフレーズなのです。私たちはそのうちひとつを理解すればいいのです。



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