アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「しつけと体罰について」の相談にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

    自分は仏教を知って助かったと思っています。しかし、家族は教えには全然興味が無いようです。また、親戚がしつけと称して、子供を怒鳴ったり殴ったりするのです。それを見ると、すごく嫌な気分になって距離を置きたくなります。このような人々にどう接すればよいでしょうか?


[A]

■体罰は野蛮な行為です

    家族には言葉ではなく、生き方で示すことです。仏教を持ち出して「こうするべきだ」と言葉で説教しても意味がありません。無意識的に「なるほど、こちらの方が良いな」と解らせることです。
    また、親戚の子供が殴られそうになったら、さっと間に入って守ってあげてください。こういうケースでは、仏教がどうのと持ち出すことはなおさらダメです。親が神経質で大人になっていない場合はその性格が子供に移ってしまいます。親が精神的に大変な状態だったら子供も不安定になってしまいます。ですからその子供がしっかりと精神的に成長できるように、あなたができる範囲で割り込んで下さい。ジワジワとその親子の仲介役の役割をしてあげて下さい。
    児童虐待はひどい犯罪です。私は体罰を肯定しませんが、万一体罰を使う場合でもすごく技術がいるのです。怒りで子供を殴ったりするのは親であっても犯罪です。少しでも怒りが入っていたら体罰ではなく犯罪です。子育てをする時、殆どの場合は殴らずに済みます。体罰は野蛮な行為です。動物を畑で働かせたりする場合でも、殴るのはけしからん話です。子供を虐待するならば親権を剥奪するのが正しいのです。子供は社会の財産なのですから。



■出典     それならブッダにきいてみよう: 教育編1 | アルボムッレ・スマナサーラ | 仏教 | Kindleストア | Amazon

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