大乗仏教の伝統は、誰かを愛おしいと思う身体の底から湧き上がる感情を精神的探求の出発点とすることで、「母の恩に感謝しよう」とか、「人の苦しみを理解しよう」などという言葉が、単なる道徳的な観念に陥らないようにすることを説いています。


佐藤剛裕(ネパール国立トリブバン大学ネパール・アジア学研究センター)
(サンガジャパンVol.6 「ダライ・ラマの慈悲とチベットの大地母神」)
※肩書は掲載時