サンガ新社編集部より、WEBサンガジャパン関連のお知らせです。


サンガ新社設立記念コラムにご寄稿いただいている石川勇一先生が前会長を務められていた「日本トランスパーソナル心理学/精神医学会」の学術大会が2021年10月2~3日に開催されます。現会長は中川吉晴先生(同志社大学教授)です。タイでの出家体験をサンガジャパンにご寄稿(『サンガジャパンVol.12無常』2013)いただいたのを皮切りに、ラジニーシや、ラマナ・マハルシなどの評伝もご寄稿いただき、スピリチュアリティに関して幅広い知見を誌面を通してお伝えいただきました。
今回の学術大会のテーマも修行を中心に据えられ、クンダリニー覚醒の諸相が取り上げられるようで、興味深いです。
ご興味のある方は、参加をご検討されてはいかがでしょうか。


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日本トランスパーソナル心理学/精神医学会
第21回学術大会(常葉大会)
2021年10月2~3日開催予定
テーマ
「スピリチュアリティーと現代:臨床(私の修行体験)を交えて」
https://jatp2021shizuoka.hatenablog.com/entry/2021/05/11/205638

「大会会長挨拶」

巻口勇一郎先生(社会学・常葉大学短大部准教授)


静岡での開催は2度目となります。私の関心にひきつけて大会テーマのスピリチュアリティーと現代について解釈すると、スピリチュアリティーには悟り、クンダリニーの覚醒、修行の危険性(クンダリニー症候群や修行を妨げる様々な要素、カルト宗教問題も含む)などのテーマが含まれている、それが現代社会や個々の日常をどう問い直すのか(人類文明や環境問題との関連を視野に入れて)となります。心地よさを想像させるヨーガも、長期間続ける過程で山あり谷ありの展開を見せることがあります。自分の隠れているものや今まで見てこなかった環境をふくむ全体へと感覚を開き、それが苦痛に思える時期も越えなくてはならないかもしれません。インドのアシュラムに短期滞在するとしばらくは心地よいが、長くそこにいると今度はいろいろな思いが噴き出てきてつらくなると聞いたことがあります。

 クンダリニーの覚醒を伴うスピリチュアルな実践は私にとっては自分や他の暗闇との対面をふくみ苦行の様相を呈しました。それが覚醒すると、上昇しだすためブロックがあるとその解消を迫られました。そのブロックが解けると次のブロックに取り組むべく迫られました。次第に周囲とのギャップを感じたり、クンダリニーの上昇を邪魔するような存在が寄ってくるようにも感じました。それをふくめて随分と私生活の多くをブロック解消に割かなければなりませんでした。そしてこうした過程を熟知してアドバイスのできる人が長い間いなかったのです。多くのクンダリニーの覚醒者が苦戦するのは、各々のブロックの問題もありましょうが、現代の人類文明はそれを適切に扱う知恵を欠いている点があると思います。クンダリニーの覚醒がなければ私は修業には関心を持たなかったでしょうし、何十年も修行のようなことを続けることはできなかった。そしてブロックが解消される過程で、リバウンドのないベジタリアンになれたり、こだわりが減ったりもしました。ヨーガでは悟りのためにクンダリニーの覚醒が欠かせないと考えているようです。仏教ではクンダリニー自体が滅却する煩悩のほうに含まれているような気がしています。そのあたりの違いを、それぞれの立場が生じた必然性を通して個性として理解できれば、このシンポジウムの目的は達成されるのではないかと考えています。


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以上、お知らせでした。

(編集部)