今年の7月に開催したミャンマー支援オークションの支援金送金が終わりましたのでご報告させていただきます。

サンガ新社の2周年を記念して、サンガ新社とご縁のあるミャンマーの方から頂いた、ミャンマーの仏像、仏画を、皆様にオークションで落札いただきました。ありがとうございました。オークションでいただいた支援金から税金などの経費を除いた全額を国際的なエンゲージドブッディズムの組織のINEBに送金しました。
INEBはこの支援金をミャンマーの草の根の市民運動の支援プログラムであるSEMの資金にするとのことです。

旧サンガでは2015年と2017年の2度、民主化の進むミャンマーを訪ねました。ミャンマーで長年出家比丘として活動されていた西澤卓美(出家名ウ・コーサラ)さんの案内で、普通では触れることのできないミャンマー仏教を体験する旅ができました。
仏教と瞑想の文化に触れる旅でしたが、その時にも現地の方から1988年の民主化運動の大弾圧の経験を聞きました。大変につらい体験の記憶を持ちながら、民主化された社会に未来を見ていらしたのが心に残っています。多くの人が、1988年の民主化運動への大弾圧で深い心の傷を負っていることも知りました。

私たちが訪ねたころは、このまま民主化が進むだろうと思っていました。多くの人はそう思っていたでしょう。しかし一方で軍部と経済界の結びつきが深く油断はできないという話も聞いていました。その心配は杞憂に終わるだろうと思っていたのですが、現実のものとなってしまいました。

ミャンマー国軍は2021年2月1日にクーデターを起こし、ミャンマーの社会は一変してしまいました。
クーデター直後は日本も世界もミャンマーに注目していました。
しかしその後、ウクライナの戦争が勃発し、そして今はハマスのテロをきっかけとしたイスラエルによるガザ地区へのジェノサイドが進行中です。
胸がつぶれるニュースが毎日入ってきます。
いきおいミャンマーのことがメディアで話題になることも少なくなっています。

先日は現在のミャンマーの仏教を伝える新聞記事がありました。
記事の中で、東京大学東洋文化研究所の藏本龍介准教授は
「僧侶には現状を打開する力がないと市民が感じ始め、さらに国軍と近い立場の僧侶がいることも明らかになった。社会の中心にあった仏教や僧侶に対する大きな失望が広がっており、これはミャンマー史上、初めてのことだ」
とコメントしています。

ミャンマーの友人によると、ヤンゴンは一見平和を取り戻しているそうです。しかし、郊外は危険な状況だそうです。また平和に見える町も軍の支配下で危険が伏在している生活です。一部の市民の運動は先鋭化して、武力衝突もあります。

私たちは、武力によらない平和の道を見つけてほしいと心から願っています。
支援先にINEBを選んだのもその理由からです。
やり取りする中でINEBに確認しました。市民の武力による抵抗に資金が回ることはないのかと。彼らからそうしたことは一切ないという返事をいただきました。

INEBからSEMというミャンマーの草の根の市民活運動を支援するプロジェクトに資金は使われます。税金など手数料を極力抑えるために、送金にあたっては一般社団法人日本ビルマ救援センター様にお力添えをいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

INEB(the International Network of Engaged Buddhists)
https://inebnetwork.org/

SEM
https://www.facebook.com/semasia.org

一般社団法人日本ビルマ救援センター
http://www.brcj.org/


【支援金送金のご報告】
■支援の合計金額
237,000円

■サンガ新社手数料(税金など)
55,000円

■手数料を引いた支援金額
182,000円

■送金ルート
サンガ新社→日本ビルマ救援センター→INEB

■送金日
2023年11月6日

皆さま、どうもありがとうございました。

今回入札のなかったアイテムがあります。
これをもとに支援のオークション第2弾も予定しております。

現在ミャンマーからの来日、そして日本からの渡航も可能ですが、ミャンマーの大部分の地域にレベル2(不要不急の渡航は止めてください)の危険情報を発出されています。地域によっては渡航禁止です。
外務省(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2023C056.html

私たちも十分に気を付けながら、これからも常に連絡を取り合い、推移を見守っていきたいと思います。

サンガ新社