【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「仏教の修行はヒマ人しかできないのでは?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
仏教には修行がありますけど、ヒマ人にしかできないのでは?
[A]
■生きることはすべて実践です
修行はヒマ人のものだというのは、その通りです。社会生活をやめて、責任を果たすこともしないで、どこかで隠れて修行するといったケースもありますからね。例えば日本の社会では、何か不正でもしてばれたら、修行道場に逃げたりします。しかし、ああいう人々がやっているのは、本格的な修行でも何でも無いのです。それを修行というなら一番格好悪いことですよ。この場合は使う言葉が間違っています。「仏教は修行がありますけど……」というのは、「仏教は実践がありますけど」と言った方が正しい。生きることはすべて実践ですからね。リハーサルはありません。一秒一秒であっても、しっかり生きるための現場ですよ。戦場ですよ。「ほんのちょっともリハーサルは無いのだから、瞬間瞬間をしっかり大事に生きてみなさい」というのが、仏教の「実践」なのです。逃げ隠れてコソコソとやる世間の修行とは違います。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編1』