【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は障碍を持つ子供の子育てについてスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
重度の知的障碍の子供を抱えています。その子が育つ、成長するというのはどういうことなのでしょうか?
[A]
■「だから何よ?」という気持ちを持ちましょう
将来のことなど考える必要はありません。自分に生まれてきた子供は自分に育てられます。障碍を負った子は親に大きな充実感を与えてくれるものです。あなたが預っているのは人類の一員ですからね。その子の母として選ばれて、人類の一人を自分が預かったということです。育てることも人類の責任です。親がやれるところまで頑張って、出来なくなったら誰かがバトンタッチしてくれます。子供がどんな状態にあったとしても、〝障碍〟と思わないこと。他と比較したりしないこと。「だから何よ?」という厳しい親の気持ちを持たないといけません。『五体不満足』(講談社刊)の乙武洋匡さんも、本を読むと彼の母親の人間としての偉大さが読み取れます。お母さんが「だから何よ」という態度で育てたから、乙武さんはクレバーに育ったのです。知的障碍の場合はどうしても一生面倒をみてあげないといけませんが「だから何よ」という気持ちを忘れないでください。預かった人類の一人を責任もって育てているのです。
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