島薗進(東京大学名誉教授)
ジョナサン・ワッツ(INEB理事)
日本における仏教と社会の関係、そして「エンゲージド・ブッディズム」とは何か。そもそもの定義や具体的な出来事、歴史を紐解いていただきながら全体像を知り輪郭を描き、その意義と現代的な課題を、エンゲージド・ブッディズムに詳しいお二人に伺いました。全8回の第5回。
第5回 日本仏教の現在
●社会参加仏教にいたる必然性
ワッツ 戒律の問題は私の30年間の公案。
島薗 公案ですか(笑)。
ワッツ だって私は最初はタイに住んでタイ仏教を実践して、日本に来て最初にINEB JAPANで真宗大谷派のサポートで勉強会に参加して「蓮如さまは5人の妻と20人以上の子ども……」と聞いて、僕は「ええっ!!」。衝撃でしたよ。