アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「折り合いが悪い人との付き合い方」です。

[Q]

   学校のクラスや会社の同僚など、どうしても付き合わなければならない人たちの中に、主義主張が全く違う人、センスが合わない人、性格的に折り合いが悪い人が必ずいます。そういう「苦手な人」とどう付き合うべきですか?

[A]

■無理して付き合う必要はありません

    付き合わない方がいいのではないですか?「どうしても付き合わなくてはいけない」というのは妄想でしょう?    これは「誰とでも付き合わなければいけない」という余計な妄想から出てくる問題です。無理な人とは苦労してまで付き合う必要はありません。
    人付き合いにも容量がありますが、能力的なことだからどうにもならないですよ。「二人だったら付き合えるけど、四人は無理。疲れてエネルギーが切れてしまう」とかね。そういうポテンシャルみたいなものが各人にあるのです。
    例えば、政治家は何百人とも平気で付き合えるでしょう?    名前も覚えているし、あの能力は奇跡としか言いようがありません。私たち凡人は一〇人の名前もろくに覚えられないのですから、あくまで個々の容量とポテンシャルの問題です。
    ですから、自分の容量を超えてまで付き合う必要はありません。組織の中で仲良く付き合える人数は限られています。それ以外の人たちとは適当に接点を持つだけでいいのです。電車に乗っているようなもので、必要があればしゃべるけど、そうでなかったら黙っていますよね。掃除の時に「あなたが掃除機をかけるなら、私は机を拭きます」というぐらいの、一般的な付き合い方で充分だと思います。「とにかく、たくさんの人々と付き合わなければいけない」ということはあり得ないし、自己破壊になります。人間として成功したければ、自分の容量やポテンシャルに合う範囲の人々と付き合えばいいのです。


■出典    『それならブッダにきいてみよう:人間関係編』

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