アルボムッレ・スマナサーラ(初期仏教長老)
釈徹宗(僧侶、相愛大学学長)


アルボムッレ・スマナサーラ長老と釈徹宗先生による「ユーモアの力」を再発見するオンラインセミナー「仏教のユーモア活性術──生き方を変える「笑い」の力」をお届けしています。第6回は質疑応答のコーナーが続きます。参加者の皆さんからいただいた質問に、スマナサーラ長老と釈徹宗先生からお答えいただいています。


第6回    質疑応答(後半)


■質問⑤    プランは臨機応変に修正すべし

──お金がギリギリで貯金もない人が財布を落としても笑っていられるのでしょうか。私は1つの失敗だけでなくいろいろ失っているためか、仏法が響かない時があります。

    1カ月暮らすにもギリギリの貯金もない人が、財布を落としたらとてもじゃないけど笑ってはいられないというふうに思いますが、先ほど長老が仰ったのは「それでも笑え」という話ではなく、そこで大きく落ち込み自己否定したり、儲かっても大きく喜んだりしないように。つまり喜びにも苦しみにも両方支配されるな、という教えだったと思います。苦しみも喜びも、刻々とすべては過ぎ去っていく。そのようなものの見方、態度を大切にしていただきたいというふうに思います。
    仏法が響かない時ももちろんあろうかと思います。そんな時は仏法からいったん離れてみると新しい気づきがあるかもしれません。自分のご縁をもう少しあちこち伸ばしてみるのもいいと思います。
    ただ、「こういう苦しみにはこれが効きます」というような即効性のある教えを求めるような態度は危ないとお考えいただいてもよいかと思います。