アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「子供と死の恐怖」です。

[Q]

   
五歳になったばかりの娘が夜、電気を消して布団に入るや「お母さんとずっと一緒にいたいよーお母さん死なないでよー生まれ変わっても同じお母さんから生まれたいよー」と何度も繰り返しながら突然大泣きしました。
    娘には「誰でも死ぬということ。あなたの親も例外ではないこと。善いことをして、悪いことをしなければ死は恐れるものではないということ」を機会あるごとに話して聞かせていました。この一件で、今まで何も口を出さなかった家族からは「子供を洗脳するな」と言われました。方法が間違っているのでしょうか?
    私自身は子供の頃、夜も眠れないほど死に対する恐怖があったことを覚えています。だからこそ適当なことを言って安心(不安に)させるよりは真実を知って自ら安心を得られる道を歩んでいってもらいたいという気持ちなのですが。

 
[A]


■子供には「真理・事実」を教えるべきです

    人は死なない、お母(父)さんはいつでもいる、死んでも天国で見守っている……などの話を聞かせるのは〝洗脳〟です。証拠が無い話です。「人は誰でも死にます。ですからあまりにも他人に頼らないで早く自立するべきです。生きている間は良い人間で、優しい人間でいるべきです」などは〝事実〟であってなぜ洗脳になるのでしょうか?    キリスト教徒でもないのに「サンタさんがプレセントをくれる」などの嘘をつくことには誰も洗脳だと言わないのはなぜでしょうか?    無知な非論理的な話に乗ると最終的には良い結果になりません。子供には、機会を見つけて「真理・事実」を教えるべきです。
    また、子供は「不安に襲われる」ことが度々あります。その時は寝付くまでそばにいてあげればよいのです。



■出典       『それならブッダにきいてみよう:教育編1」

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