【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「歯を磨く時もこころを汚さない方法」についてです。
[Q]
長老は、「歯を磨く時も、『こころが汚れないように』と気をつける」と仰っていましたが、具体的な方法を教えてください。
[A]
■無常を観察するように、不浄観をするように歯磨きしましょう
「ちゃんと歯磨きをして一生、自分の歯を守らなければいけない」とか、「きれいな白い歯でかっこよく見せよう」とか思ったら、それは肉体への執着であって、こころが汚れているでしょう。「私の歯がきれいになりました。さっぱりした」と思っても、やっぱり執着でこころが汚れるでしょう。そうではなくて、「歯は汚れるのだ。磨いてもまたすぐ汚れるのだ。汚れたらすごく不潔で、自分でも気持ち悪い。だから、この汚れを落として、清潔に保たなくてはいけない。しかし、これは終わらない作業なのだ」という感じに、ありのままを観察しながら歯を磨くのです。最低、「これは勝手に汚れて臭くなるものだな」と思いつつ歯を磨いても、こころは汚れないのです。「虫歯にならないように」「健康のために」と思って歯磨きしてしまうと、こころは汚れてしまうのです。ですから、ちょっと無常を観察するように、不浄観をするように、こころを持っていけば、歯磨きしてもこころがきれいに保てますよ。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:こころ編3』