古いパーリ語経典には、瞑想とは野生の象を手なずけるようなものであると記されています。昔は象を捕まえたとき、頑丈なロープで柱に縛り付けました。この例えがあらわしているのは、野生の象はさまよい歩く心のこと。ロープは「気づき」、象を縛り付けた柱は「集中の対象」です。


三砂慶明(梅田 蔦屋書店 人文・古書コンシェルジュ)
(サンガジャパンVol32. 「『人ななぜ瞑想するのか』人間の苦悩の本質とむきあう本」)
※肩書は掲載時